今回は筆者が実際に試したEL34真空管5本を徹底比較レビュー。アンプはTRIODEのTRV-88XR、スピーカーはJBL 4312WX mk2で検証しました。
どの管も一流品ですが、それぞれ音の個性はまるで違うのが驚きです。この記事を読めば、あなたにぴったりの真空管がきっと見つかります。
JJ EL34【コスパと耐久性に優れた安心ブランド】
実際の音の印象
最初に感じたのは「この価格でこの音はすごい!」というコスパの良さ。音質はややウォームで中域に厚みがありますが、高域もそれなりに伸び、低音もブーミーすぎずしっかり鳴る。
クラシックやジャズではほどよく丸みがあり、ロックではギターの張り出しも良好。万能選手という印象です。
しかも、JJは耐久性が高いと世界中で評価されていて、ビギナーからプロまで幅広く支持されています。筆者も半年以上ほぼ毎日使ってますが、ノイズや劣化も感じません。
向いている人
- まずは定番を試したい人
- 長く使えてコスパの良い管が欲しい人
- EL34初心者にも
Mullard EL34(復刻)【温かみ重視派に】

実際の音の印象
とにかく中域が濃い!女性ボーカルのしっとりした感じ、弦楽器の艶感、泣きそうになります。ウォーム系で、まるでビロードのような音の質感。
ハイ上がりが少ないぶん、長時間聴いていても疲れません。
向いている人
- ボーカルやブルースをじっくり聴く人
- 柔らかくて温かい音が好きな人
Tung-Sol EL34B【迫力派の秘密兵器】
実際の音の印象
この管は一発目のアタックが強い!ダイナミクスが大きく、ドラムやベースがガツンと来る。ロックやファンクを流したらノリノリに。
一方で、繊細な表現は少し荒い印象。繊細さよりも勢い重視の人におすすめ。
向いている人
- ロック、打楽器が好きな人
- ライブ感重視の人
Electro-Harmonix EL34【コスパ良しの優等生】

実際の音の印象
とにかくクセがなくて素直。解像度はそこそこですが、音のバランスはとても良いです。特にアンプの個性をそのまま活かしたいときにはぴったり。
真空管ビギナーにも安心しておすすめできます。
向いている人
- コスパ重視の人
- 初めて真空管を交換する人
Svetlana EL34【やさしさの極み】
実際の音の印象
音の角が取れていて、とにかくやさしい音。弦楽器やアコースティック系との相性が抜群。音楽が「ふわり」と空間に漂う感覚は、Svetlanaならでは。
じっくり、静かに音楽と向き合いたいときに使いたくなる管です。
向いている人
- アコースティック音楽好き
- 夜にゆったり聴くスタイルの人
まとめ|好みの音にチューニングしよう
筆者自身、真空管を変えるたびに「こんなに音って変わるんだ」と驚かされます。今回紹介した5本はどれも間違いない選択肢ですが、自分の音楽の好みに合わせたチョイスが何より大事です。
おすすめ真空管まとめ表
真空管名 | 特徴 | 向いているジャンル |
---|---|---|
JJ | コスパと耐久性 | ジャズ、ロック |
Mullard復刻 | 中域の艶 | ボーカル、ブルース |
Tung-Sol EL34B | パワフル | ロック、ポップス |
Electro-Harmonix | 素直な音 | オールジャンル |
Svetlana | 滑らかでやさしい | アコースティック、クラシック |
音の世界は奥が深く、真空管ひとつでまるで違うスピーカーになったかのような変化があります。ぜひあなたも、お気に入りのEL34を見つけてください。